「足と健康との関係」から未病を解明
(1)未病の原因を「足と健康との関係」で統計学的な見地からも解明
- (1)負傷の瞬間を特定できない『運動器障害』を発症した人の足を調べると、約95%に外反母趾・浮き指・扁平足などの足裏の異常が見られた。また、既に整形外科で変形性膝関節症・腰椎や頸椎のヘルニア・分離症・すべり症・狭窄症と診断され、その後、捻挫で来院してきた患者さんの足を調べると約98%に同じように足裏の異常が共通点になっていた。
- (2)思い当たる原因がないにもかかわらず、自律神経失調症やうつ状態と専門医に診断され、その後、首こり肩こりを伴う「頸部亜急性捻挫」で来院してきた患者さんの「足と首との関係」を追究すると、約98%に足裏の異常に伴う「かかと重心の歩行」と頸部亜急性捻挫による「ムチウチ症の後遺症状」が共通点になっていた。
- (3)病気の原因がはっきりしない生活習慣病(代謝症障害)と医療機関で診断され、その後、捻挫で来院してきた患者さんを「重力とのバランス」で追究すると、その約90%に「足裏の異常」と「頸部亜急性捻挫」が共通点になっていた。(いずれも当院の調査結果である)
- (4)通常の「外反母趾」と、ヘバーデンが足に発症した「足へバーデン(変形の著しい外反母趾)」との違いを追試。
- (5)「第2中足骨骨頭痛」「モートン病」と医師から診断された人の約90%は、「足へバーデン」が関係していることを解明。
- (6)通常の「変形性膝関節症」と、ヘバーデンが膝に発症する「膝へバーデン」は別の病気である事を解明。
- (7)接骨院を訪れる60才以上の女性の6人に1人が、ヘバーデンが隠れた原因となる痛みや損傷であることの追試。従って、ヘバーデンは「国民病」と言っても過言でないことを解明したものである。
以上が、「重力とのバランス医療」における一部分だけを定義したものである。
以上のことから、人間の土台となる「足と未病との関係」、或いは「足と健康寿命との関係」を関連付けることができると推測する。これを裏付けるため、多くの医療関係者、健康指導者による追試が必要不可欠である。
(2)ロコモ・ニューロ・メタボの原因を外反母趾・浮き指・扁平足による足裏の異常から追究
足裏に異常があると、
- (1)原因のはっきりしない運動器系の痛みや自覚がない「いつの間にか骨折」、つまり疲労骨折が隠れた原因となるロコモが発生する。
- (2)足裏に異常があると、頸部亜急性捻挫を発生し、これが隠れた原因となる「ムチウチの後遺症状」と共に自律神経失調症やうつ状態(ニューロ)が発症する。
- (3)足裏の異常は、生活習慣病(代謝症障害)の発症に大きく関係していると思われる。
このことは日本の医学書に書かれていないので、ほとんどの人が気付いていないのが現状である。
(3)「足と未病との関係」また「足と健康寿命との関係」そのメカニズムの考察
「外反母趾」「浮き指」「扁平足」など足裏の異常があると、
- (1)重心がかかとに片寄る。その片寄りは左右差を伴うため、足裏が不安定になる。
この足裏の不安定を補った結果として、足・ひざ・腰・首などの体幹部に「歪み(ズレ)」が起こる - (2)この歪み(ずれ)の大きい所へ、歩行時にかかと重心からの過剰な衝撃波とねじれ波という「介達外力」が繰り返され、時間経過と共に変形や損傷度が蓄積されていく。
- (3)足裏の異常による不安定な歩き方を、日常生活や仕事・スポーツなどで(1)と(2)を「反復」し、損傷度が増し、亜急性捻挫や様々な体の不調(ロコモ・ニューロ・メタボ)を発症させてしまう。「足と未病との関係」「足と健康寿命との関係」が統計学的な見地であっても、常に90%以上の確率で立証ができるなら、ひとつの科学的根拠として捉えるべきである。
すべての理論は仮説から始まりそれも立証することによって確立されていくものだ。
時代の変化に伴う伝統医療の革新には、未病や原因のはっきりしない慢性疾患(亜急性捻挫)や体の不調などの(未病)を、重力とのバランスから判断したり、治療していくことが必要であり最優先されなければならないのだ。
(4)未病を治すには、足裏から重力とのバランスで全体的に診ることが必要
今まで足は「足」、体は「体」と、別々に医療や健康法・予防が行われてきた。
「足と体は一体」という「重力とのバランス」で全体的(マクロ的)に診る。その「重力とのバランス医療」で未病を治す、という観点から「伝統医療の革新」が必要と考える。
なぜなら、「ホリスティック医療」「統合医療」「代替医療」が益々重要視されつつあるからだ。これらの医療の根本的な考え方は、患部だけを部分的(ミクロ的)に診るよりも、全体的(マクロ的)に診ることの重要性を訴えている。
その全体的(マクロ的)とは何かを追究していくと、「重力とのバランスで診る」ということにたどり着くのである。
従って、医療従事者は「重力とのバランス医療」で伝統医療の革新を図り、未病を治す、このことが時代の変化に対応することになり、新たな社会的役割と共に、健康寿命の延伸と医療費の削減になると考える。
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