「伝統医療の革新」と「未病医学」の確立
(1)時代の変化に対応する柔整師の役割は「未病を治す」施術と学問の確立
時代の変化、ライフスタイルの変化に伴って、接骨院を始め様々な医療機関を訪れる患者さんの主訴及び未病にも大きな変化が見られ、それに伴い医療従事者や健康指導者の社会的役割にも大きな変化が起こっている。
その変化に対応する為には、今までの医療を尊重しつつ、「伝統医療の革新」が必要。
その内容は、「重力とのバランス医療」で「未病を治す」ための施術と、それを裏付ける未病医学の確立が必要なのだ。
(2)未病医学には哲学に裏付けられた医療が必要
未病医学の確立には新しい考え方による「医療」が必要で、さらにはその裏付けとなる「哲学」が必要なのだ。時代やライフスタイルの変化に伴って診断法や治療法にも変化が必要であり、それはより正確な内容でなければならない。
古代ギリシャ時代、つまり今から2500年前に”医学の父”と呼ばれたヒポクラテスの全集の中に夢な言葉がある。
つまり医学と哲学は同じものだとヒポクラテスは説いているのだ。
(3)手段:「重力とのバランス医療」による未病医学とその裏付けとなる哲学と理論
原因のはっきりしない痛みや体の不調に伴う未病の原因を、重力とのアンバランスから判断する方法と理論である。その判断基準となる理論が、絶対的重力の支配下にある地球、その中に住む人間である以上、「重力」が中心となる「自然界5次元構造の法則」に人間を当てはめた哲学であり、理論である。
「自然界5次元の法則」とは、地球は重力によって「縦×横×高さ×時間×環境×」で構成されている。
これを、「重力とのアンバランス」で単純に割っていくと、「8通りのアンバランス」(1)前 (2)後 (3)左 (4)右 (5)上下 (6)衝撃 (7)ねじれ (8)環境 とに分けられる。これを「8方向の診断」と呼んでいる。
原因のはっきりしない慢性疾患(亜急性捻挫)や体の不調、つまり「重力とのバランス医療」が言う未病は、このアンバランスの中のどれが最大要因となっているか、またそのいくつかが複合しているかを判断する方法である。
分かりやすく説明すると、人間の体を力学的構造体として捉え、
- 【1】構造学的(縦×横×高さ×)における歪み(ズレ)による「構造学的アンバランス」の判断
- 【2】過労学的な時間経過に伴う(過剰な衝撃×過剰なねじれ×)という介達外力による「過労学的アンバランス」の判断
- 【3】(生活環境×)による反復性に伴う、「環境学的アンバランス」の判断 ということになる
(4)医療従事者、健康指導者による「未病を治す」と、医師による「病気を治す」との区別
「8方向の判断」に対し、原因をはっきりと特定できる2つのアンバランス「先天的アンバランス」と「後天的アンバランス」を加えた治療法を「10方向の判断」と呼んでいる。
「先天的アンバランス」とは遺伝や生まれつきのアンバランスと考え、また「後天的アンバランス」とは、ケガ・病気によるアンバランスと考え、8方向の判断をする前の前提条件となり、薬事や医師法に触れないか、また施術範囲外であるかないかの判断法である。
(5)「未病を治す」とは自然治癒力を最大限に発揮させる、その条件を整えることである
未病を治すには「構造医学」「過労医学」「環境医学」の3つを同時に行うことである。この中のひとつをもって治せると思わないことだ。
その合理性、正当性を立証するためにも統計学的見地から証明している。
また、治療法においてもヒポクラテスは次のように言っている。
医学を志した者なら誰でも一度は聞く言葉だ。
「人間は自ら治す力を持っている。真の医療とは自然治癒力を十分発揮させる条件を整えるだけである。」
重力とのバランス医療学会ではこれを「自然治癒力の3原則」で証明している。
(6)未病を治す『自然治癒力の3原則』
「重力とのバランス医療」で全体的(マクロ的)に判断し施術する。これを簡単に説明すると、耐震構造設計ミスの体や患部を判断し、合格への体へと戻し、自己治癒力や自然治癒力を最大限に発揮させる3つの施術法である。
- (1)足裏から患部及び全身の構造学的なバランス(縦×横×高さ×)を整え、自然治癒力を発揮させる。
- (2)足裏からの免震処置と血行促進で、患部や全身の過労学的損傷(過剰な衝撃×ねじれ×)の回復により、自然治癒力を発揮させる。
- (3)肉体と精神と心に反復される環境学的条件(環境×)の回復を図り、自然治癒力を発揮させる。
以上のことから、1つをもって全てと思い込んではいけない。常に、この”未病”を治す「治療の3原則」の施術をすることが自然治癒力を最大限に発揮させる。その上でそれぞれの症状に対し、(1)(2)(3)に適した施術をすることである。
(7)課題:「未病対策では、有効性の確認が課題である」
統計学的な見地であっても常に90%以上の立証ができるなら、ひとつの科学的根拠(エビデンス)として捉えるべき。全ての理論は仮説から始まり、それを立証することによって確立されていくと考える。
時代の変化に伴う伝統医療の革新には、未病や原因のはっきりしない慢性疾患(亜急性捻挫)・体の不調を「重力とのバランス医療」で学問的に理論づけた未病医学を広めることが必要不可欠と思うところである。
(8)結論
未病に対し、栄養(サプリメント)など機能性食品(トクホ)に偏るのではなく、人間の土台となる「足裏」から患部や全身を「重力とのバランス」で判断したり、治療していくことが必要であり、その裏付けとなる「重力とのバランス医療」と「未病を治す3原則」で学問的な追試が急がれる。
結論として、医療従事者や健康指導者による未病対策と、哲学に裏付けられた慢性疾患(亜急性捻挫)の学問的確立こそが優先であり、ここに健康寿命の延伸と医療費削減が可能となり、結果として、社会貢献と共に新たな役割と、未病状態に対する施術範囲の拡大が見込まれる。
今、未病産業への参入には「時代の変化に即応業することだ。それには柔軟な頭に裏付けられたスピード」が望まれる。
(9)総論
アメリカ・ロシア・日本のすべての宇宙飛行士が地球に帰還した時に言っている共通の言葉がある。それは、「重力の威力」「そのすごさ」についてである。地球に暮らしている私たちは、重力のことを当たり前のように捉えて忘れているため、健康や医療にも重力に対する認識が不足しているのである。
重力とのバランスを一番多くコントロールしているのが『足』であるため、足から健康や医療を考えて「足と健康との関係」を宇宙飛行士の言葉からも証明する必要がある。
【参考文献】
・朝日新聞/健康保険組合連合会のプレスリリース/神奈川県「未病産業研究会」資料/「お母さん!子どもの足が危ない!」(宝島社)/読売新聞
【協力】
一般社団法人 過労性構造体医学(Gバランス医療)研究会/Gバランス学会 会長 村上 浩(医学博士)
※注意:当ページは現代医療を批判したり、治療を妨げたり、医師の治療を受ける機会を奪うものではありません。知り得た真実を正確にお伝えしているだけです。
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